【産廃許可ガイド】産業廃棄物収集運搬業許可申請の要件

産廃業収集運搬業許可を取得するためには、多くのほかの許認可がそうであるように、ひと・もの・ばしょの要件を満たす必要があります。

ここでは、許可申請の要件について、くわしくみていくことにしましょう。

人的要件:指定講習会の受講(知識及び技能)

産廃物収集運搬業許可を受けるためには、新規許可・更新許可に関わらず、まずは有効期間内に指定講習会を受講している必要があります。

講習会には、新規許可講習会と更新許可講習会の2種類があり、さらに産業廃棄物若しくは特別管理産業廃棄物の収集運搬業又は処分業の区分に応じて修了課程が分かれています。

また、処分課程の講習会で収集運搬業の許可申請はできませんので、対応する講習会の修了証が必要となります。

許可申請の種別
必要となる講習会の修了証の区分
産業廃棄物収集運搬業 新規許可
  • 産廃物収取運搬業許可を始めて申請する場合
    産業廃棄物(又は特別管理産業廃棄物)収集運搬課程新規許可講習会の修了証
  • すでに他の都道府県で産業廃棄物収集運搬業許可を取得している場合
    産業廃棄物(又は特別管理産業廃棄物)収集運搬課程更新許可申請講習会の修了証
変更・更新許可
  • 産業廃棄物(又は特別管理産業廃棄物)収集運搬課程新規許可講習会の修了証
    又は
  • 産業廃棄物(又は特別管理産業廃棄物)収集運搬課程更新許可申請講習会の修了証
特別管理産業廃棄物収集運搬業 新規許可
  • 産廃物収取運搬業許可を始めて申請する場合
    特別管理産業廃棄物収集運搬課程新規許可講習会の修了証
  • すでに他の行政庁で特別管理産業廃棄物収集運搬業許可を取得している場合
    特別管理産業廃棄物収集運搬課程更新許可申請講習会の修了証
変更・更新許可
  • 産業廃棄物(又は特別管理産業廃棄物)収集運搬課程新規許可講習会の修了証
    又は
  • 産業廃棄物(又は特別管理産業廃棄物)収集運搬課程更新許可講習会の修了証

講習会の受講者について

法人・個人の場合で受講すべき方が異なりますが、原則として、役員・代表者の方が受講する必要があります。

申請者が法人の場合は、代表者・産廃物の処理業務を行う役員・または産廃業を行おうとする事業所の代表者が、申請者が個人の場合は、個人事業主または産廃業を行おうとする事業所の代表者が受講する必要があります。

修了証の有効期限について

許可申請の際に講習会の修了証を添付することにより、有効期間内の講習会を受講済みであることを証明することになります。

新規講習会と更新講習会の有効期限は、それぞれ異なっているので、注意が必要です。

  • 新規許可講習会の修了証:修了証発行の日から5年間
  • 更新許可講習会の修了証:修了証発行の日から2年間
    ※近畿圏で大阪府・兵庫県のみ更新許可については、現在の許可証の有効期間の満了日の翌日において終了日から起算して5年以内が有効期間です。

講習会の申込み

講習会の申込みは、各都道府県の産業廃棄物協会で受け付けています。

事前に予約した上で受講する必要があり、時期や開催場所によっては、満席になることもありますので、事前の確認をお勧めします。

講習会の日程は、こちらのリンクから調べることができます。

日本産業廃棄物処理振興センター 講習会日程

京都府・大阪府・兵庫県の産業廃棄物許可の講習会

公益社団法人京都府産資源循環協会
京都府で開催される産業廃棄物許可申請に関する講習会の窓口

公益社団法人大阪府産業資源循環協会
大阪府で開催される産業廃棄物許可申請に関する講習会の窓口

一般社団法人兵庫県産業資源循環協会
兵庫県で開催される産業廃棄物許可申請に関する講習会の窓口

一般社団法人滋賀県産業資源循環協会
滋賀県で開催される産業廃棄物許可申請に関する講習会の窓口

経理的基礎の要件

許可申請者は、産業廃棄物収集運搬業を営むにあたって、継続して事業を行える経理的な基礎を有することが必要とされています。

経理的基礎を満たすためには、原則として次の要件を満たしてることが必要です。

  • 利益が計上できていること
  • 債務超過の状態でないこと

また、民事再生法による再生手続き又は会社更生法による公正手続きが開始された法人は、経理的基礎を有しないと判断され、許可申請することができませんので、更生計画の許可等がなされた後に許可申請を行う必要があります。

また、設立後1年未満の事業者で決算期が到来していない場合や、利益が出ていない事業者の方であっても、追加資料を提出することによって申請が可能となります。

事業計画書の作成

事業計画は、産業廃棄物収集運搬業を営んでいく上で、基本的な経営状況についての計画となります。

業務量に応じた施設や人員などの業務遂行体制を整えておき、その事業計画が適正であることを記載することになります。

具体的には、以下の点に注意して作成する必要があります。

1.収集運搬を行う予定の廃棄物の種類や性状を把握していること。

国の廃棄物の適正処理等に係る基本的な方針では、「廃棄物の処理は、その性状に応じた適切な方法により行わなければならない。」となっています。

そのため、廃棄物を適正に処理するためには、取り扱う廃棄物の性状や種類を熟知しておくことが必要とされています。

2.取り扱う産業廃棄物の性状に応じて、必要となる施設(車両、運搬容器等)を確保していること。
産業廃棄物には、液状、泥状、飛散しやすいもの、有害性のあるもの、危険なものなどがありますので、収集運搬基準を遵守するために、取り扱う廃棄物の性状に応じた車両や運搬容器などが必要となります。
3.搬入先業者の処理施設が、運搬する廃棄物の種類に応じた処理施設であること。

取り扱う廃棄物の種類や性状を把握し、その処理施設において処理可能なものであるかを確認する必要があります。

また、廃棄物の発生場所・搬入施設がどの場所にあるかを把握し、それぞれの地域の許可を取得しているかどうかも確認する必要があります。

4.業務量に応じた運搬施設能力を有し、収集運搬に関して適切な業務遂行体制が確保されていること。

収集運搬を行うにあたり、再委託や名義貸しなどを行うことがないよう、業務量に応じた施設や人員を確保しておく必要があります。

また、運転手については、許可申請者又は申請者が雇用する従業員でなければ、名義貸し等に該当し、法律違反になるおそれもありますので、注意してください。

5.廃棄物の収集運搬に関して、周辺生活環境への配慮がなされていること。
収集運搬業務を行う時間、休日については、周辺環境への騒音影響の防止などを考慮し、適切な業務遂行体制が必要となります。

施設に関わる要件

施設に関する基準

申請者が次の基準に従って、必要な施設(運搬車・運搬容器等)を有する必要があります。

産業廃棄物収集運搬業の場合
  1. 産業廃棄物が飛散し、及び流出し、並びに悪臭が漏れるおそれのない運搬車、運搬船、運搬容器その他の運搬施設を有すること。
特別管理産業廃棄物収集運搬業の場合
  1. 特別管理産業廃棄物が飛散し、及び流出し、並びに悪臭が漏れるおそれのない運搬車、運搬船、運搬容器その他の運搬施設を有すること。
  2. 廃油、廃酸又は廃アルカリの収集又は運搬を業として行う場合には、当該廃油、廃酸又は廃アルカリの性状に応じ、腐食を防止するための措置を講じる等当該廃油、廃酸又は廃アルカリの運搬に適する運搬施設を有すること。
  3. 感染性産業廃棄物の収集又は運搬を業として行う場合には、当該感染性産業廃棄物の運搬に適する保冷車その他の運搬施設を有すること。
  4. その他の特別管理産業廃棄物の収集又は運搬を業として行う場合には、その収集又は運搬を行おうとする特別管理産業廃棄物の種類に応じ、当該特別管理産業廃棄物の収集又は運搬に適する運搬施設を有すること。

事業用車両について

ダンプトラック、吸引車等の車両、ドラム缶、フレキシブルコンテナバックなどの容器等、産業廃棄物の性状、計上、量に応じた施設(車両及び容器)が必要となります。

また、「感染性産業廃棄物」については、専用密閉容器と保冷車、密閉車両などが必要となります。

認められない車両
  • 塵芥車(パッカー車)での「がれき類」の運搬を行うことはできません。
  • 「がれき類」及び「鉱さい」を「土砂等禁止」の車両で運搬することはできません。

施設の使用権原について

申請者は、継続して施設の使用の権原を有している必要があります。

  • 車両の使用権原
    収集運搬に使用する車両の使用権原は、自動車検査証の使用者と許可申請者と同じである必要があります。
    また、自動車検査証の使用者が許可申請者と異なる場合は、貸借契約書や車両の賃借等に関する証明書等により使用の権原を明らかにする必要があります。
  • 二重登録
    他の収集運搬事業者が登録した車両と同じ車両を、許可申請者が登録する場合は、使用権原が重複してしまうため、事前に調整しておく必要があります。
  • 保管場所
    収集運搬に使用する車両の保管場所(駐車場)を確保しておく必要があります。
    自治体によって異なりますが、駐車場の賃貸借契約などの提出を求められることもありますので、使用権原を明確にしておく必要があります。

欠格事由に係る要件

許可申請者が以下のいずれにも該当しないことが必要で、許可申請者の中には、法人の取締役、監査役、相談役、顧問、株主又は出資者(5%以上の株主)、政令で定める使用人も含まれるものとされています。

また、許可を取得した後であっても、以下のいずれかにあらためて該当した場合には、許可の取り消しなどの処分を受けることがあります。

  1. 成年被後見人・被保佐人・破産者で復権を得ない者
    成年後見人若しくは被保佐人とは、認知症、知的障害、精神障害などにより、判断能力が不十分であるため、自分で法律行為を行うことが困難な方で、成年後見制度により登記されている方をいいます。
  2. 禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  3. 次に掲げる法令等に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
    • 廃棄物処理法
    • 浄化槽法
    • 大気汚染防止法
    • 騒音規制法
    • 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律
    • 水質汚濁防止法
    • 悪臭防止法
    • 振動規制法
    • 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律
    • ダイオキシン類対策特別措置法
    • ポリ塩化ビニフェル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法
    • 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(第31条第7項を除く。)
    • 刑法第204条(傷害)
    • 刑法第206条(現場助勢)
    • 刑法第208条(暴行)
    • 刑法第208条の2(凶器準備集合及び結集)
    • 刑法第222条(脅迫)
    • 刑法第247条(背任)
    • 暴力行為等処罰に関する法律
  4. 次に掲げる許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
    • 一般廃棄物収集運搬・処分業の許可の取消し
    • (特別管理)産業廃棄物収集運搬・処分業の許可の取消し
    • 浄化槽法第41条第2項による許可の取消し
  5. 法人で暴力団員などがその事業活動を支配するもの
  6. 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
  7. その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者

産業廃棄物処理業の許可申請についてのお問合わせ

ひかり行政書士法人では、産業廃棄物処理業の許可申請についてのご相談や指定申請サポートのお申込みについて、お電話・メールでのお問合わせを承っております。

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その他の許認可申請について

その他の許認可申請についてお調べの方は、ひかり行政書士法人の総合サイト「許認可.net」もぜひご覧ください。

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